■■□ピアニストを撃て('60仏)

監督:フランソワ・トリュフォー
主演:シャルル・アズナブール、マリー・デュヴォア
トリュフォーの第2作。原作はデヴィッド・グーデスの小説で、仏語訳は、フィルム・ノワールと言われるジャンルが、ここのシリーズから原作がとられたことが多かったという、暗黒業書(セリ・ノワール)から。このタイトルは、西部劇などで、酒場ではピアニストの存在が貴重だったので、
「ピアニストは撃つな」の張り紙がしてあったという話より、反語的にこういうタイトルが付いたと言う。アズナブール(言うまでもなく、ガンダムのシャア・アズナブールはここから取られている)が場末の酒場のピアニスト役。ジョルジュ・ドリリューの音楽が素晴らしいが、ボビー・ラパワント演ずる歌手の”フランボワーズ”という歌が絶品。歌もののジャズにはめったに惹かれないが、
このピョンピョン飛び跳ねる男の軽妙なこと!
陽気な娼婦のミシェール・メリシェがベッドで乳房を出すギャグもおもしろい(ジョン・ウエインの「アラスカ魂」を見たという台詞ある)。初期のトリュフォー作では、「大人はわかってくれない」と「突然炎のごとく」にはさまれて損してるが個人的には、その2本よりも好き。

Tirez Sur Le Pianiste、b&w 1h24