#66■Rainmaker / Traffic

Low Spark of High Heeled Boys

Low Spark of High Heeled Boys

スティーヴ・ウィンウッドのソロ製作から転じてトラフィック再結成となったのが「John Barleycorn Must Die」ですが、すぐさまデイヴ・メイスンが復帰したライヴ盤「Welcome To The Canteen」(クレジットにはTrafficの文字はないです)が出て、仕切り直しとなった71年に変形ジャケのこの「The Low Spark Of High Heeled Boys」(Island)が出ます。冗長だ、散漫だ、と言う人もいれば最高傑作と言う人もいて、評価が分かれますが、カチッとした次の「Shooting At The Fantasy Factory」の方がまとまりはあるものの、本作の方に僕も惹かれます。ファミリーのリック・グレッチ(b,vn)、セッション多数のジム・ゴードン(ds)を加えたラインナップは、イギリス的なものとアメリカ的なものが混在した不思議な世界。長尺のタイトル曲はリーバップが持ち込んだアフリカ的なグルーヴがサイケデリックな味付けをされた名曲です。このアルバムでジム・キャパルディがvoとして成長した姿を見せますが、flとsaxを使い分けるクリス・ウッドの存在も忘れ難いです。Rainmakerでは、前半は軽やかなflute、後半は呪術的なsaxが聞け、またグレッチのvnも飛び出します。