■■東京暮色('57日本)
- 出版社/メーカー: 松竹ホームビデオ
- 発売日: 2007/12/22
- メディア: DVD
- クリック: 6回
- この商品を含むブログ (15件) を見る
主演:原節子、有馬稲子、笠智衆
この「暮色」は、「早春」とならんで小津の裏の代表作(表は「晩春」だったり「東京物語」だったり)。明るい話が多い小津作品にあって、珍しく暗い話。父は母に逃げられ、長女は夫婦仲が悪く、次女は孕まされたあげく事故死、とやりきれない話を、あっさりと描く。
ほぼ半世紀たってるので解説がないとわからない部分(ギャグ)も多い。
冒頭の小料理屋のシーンで、浦辺粂子(鶴太郎ではない)が「360キロも雪が積もってる」というが、最初はkmじゃなくてkgかと思った。最後の方でいい味を出す、藤原釜足(もちろん大化の改新ではない)の台詞もコミカルで面白い。
ラストの上野駅のシーンでホームで大学生の集団が校歌を歌うシーン、あれは明大らしい。応援団のエールか?高橋貞二の小西得郎調の台詞、というのも今となっては、小西得郎が誰なのかわからないと、面白みが半減(小西は、元プロ野球選手(ロビンス?)で野球解説者第1号とか。名調子で知られる人らしい、故人)する。
小津特集が組まれる直前に、小津映画のヒロインたち(といっても生き残ってる人は少ない)にスポットを当てた特番で、有馬は、髪を延々梳かしながらの台詞を、今だったらなんとかもっとうまくやるのにとしきりに悔しがっていたけど、確かに梳かしすぎる。老け役が多い、笠も、ここでは初老の役で、スーツ着て銀行通う、重役だが、妙な違和感がある。