ポセイドン・アドベンチャー('73)

ポセイドン・アドベンチャー [DVD]
監督:ロナルド・ニーム
主演:ジーン・ハックマンアーネスト・ボーグナイン
70's映画の1つの特色にパニック映画(Diasastor Movie)というジャンルがある。「大空港」あたりをルーツとするエアポートシリーズ、「大地震」などがあるが、本作の製作を担当した、アーウィン・アレンはこの映画で当てて、更にスケールをアップした「タワーリング・インフェルノ」を大ヒットさせた。
元々は「スノー・グース」「ジェニー」のポール・ギャリコの原作小説で、あたかもタイタニック号をモデルにした様だが実際にあった事件に基づいてるとか。監督のニームは、イギリス人でそれまでやや小粒な作品を撮ってた人だが、この大ヒットでフォーサイス原作の「オデッサ・ファイル」を撮らせてもらえるまでになった。
この手の映画には常套となったオールスターキャスト(所謂グランド・ホテル形式の)だが、神をあまり信じず、いささか過激な思想の牧師にハックマン、警部補にボーグナイン、その妻で元娼婦のステラ・スティーヴンスは、「ケーブルホーグのバラード」が素晴らしかった人。老夫婦は、ジャック・アルバートソンとシェリー・ウィンタース姉弟は、パメラ・スー・マーティンとエリック・シー。船員にロディ・マクドウォール、孤独な中年にレッド・バトンズ、歌手(モーリン・マクガヴァンが歌った”モーニング・アフター”はオスカーをとった)にキャロル・リンレイ(そのバンドになんと若きワディ・ワクテル(後にローニン)が!)。
ここまでが、最初に脱出できた人たち。
このジャンルはその後「試練」がエスカレートする一方ある程度のハッピーエンドを求められる為、帳尻あわせに終始し、やがて飽きられ衰退してゆくが、ここではずいぶん大らかな感じがあって、それが再見に耐えうるの理由なのかも。06年にウォルフガング・ペーターゼンが「ポセイドン」のタイトルでリメイク。■■

The Poseidon Adventure、20th Century Fox、1h57