■■■駅・Staion('81日本)

駅 STATION [DVD]

駅 STATION [DVD]

監督:降旗泰男
主演:高倉健いしだあゆみ烏丸せつこ倍賞千恵子
別に高倉健ファンではないのだけど、これは好き、もう何度も見てるけど。
脚本は倉本聰で、オリンピックの射撃の選手にも選ばれた警官の、10年以上にわたる、3人の女性との別離を描いたもの。3部構成だけど、ちゃんとつながるあたりさすがです。初めて見たときは高倉健のプロモフィルムかと思ったけど。いしだと宇崎竜童は、「阿修羅のごとくpt2」と時期が近いので、比べてみると面白い。それまでこのタイトルを深く考えたことなかったのですが、駅で始まり駅で終わってます。
第1部「直子」(いしだ)では、小樽市銭函駅での連れ添った夫人との別れが描かれ、この部分は「北の国から」を思わせる。上司の大滝秀治が指名手配犯(室田日出夫)に射殺され、これは第3部への伏線となる。圧巻なのは第2部「すず子」。厳冬の季節から緑まぶしい新緑の季節に切り替わる瞬間が瑞々しい。冒頭で高倉の妹(まだほっそりとしてた古手川祐子が、かわいらしい)の結婚式の夜、元恋人で高倉の旧友の小松政夫が荒れるシーンが入り、通り魔事件の犯人(根津甚八)の妹(烏丸)を張る話へとつながる。兄と連絡を取っていた事をひたすら隠す妹と刑事のしのぎ合いの中、ある作戦を高倉は取るのだが… 舞台となったのは石狩の増毛町烏丸せつ子演じるすず子が素晴らしい。第3部「桐子」の冒頭でもすず子をフィーチャー。その後親しくなった小料理屋の女将(倍賞)とのふれあいが描かれ、有名な80年の紅白歌合戦(冒頭の石野真子の"ジュリーがライバル"もちらりと)の八代亜紀の"舟歌"を挟み、実は指名手配犯(室田)の情婦だった事がわかる顛末。
ロケなどはここに詳しい。
http://blowinthewind.net/cinema/station.htm
他には、小林稔侍、竜雷太、永島敏行、藤木悠、北林谷英、阿藤海平田昭彦名古屋章ら。冒頭で倍賞(松竹)のクレジットが。撮影所システムはまだ機能していたのでしょうか?第1部でマラソンの円谷選手の遺書が引用されますが、シティ・ボーイズのライヴでこのネタがあった(当時は全くわからなかったが、ある時気付いた)。