ヒッチコックのファミリー・プロット('76)

ファミリー・プロット [DVD]
監督:アルフレッド・ヒッチコック
主演:バーバラ・ハリス、ブルース・ダーン
一般的には、「引き裂かれたカーテン」('68)以降のヒッチコック作品は、語るに値しない、とされている。40年代から第一線で活動してきた、エンターテイメント系の映像作家のヒッチコックだが、激動する時代の流れと寄る年波についていけず、晩年の作品は、確かに精彩を欠く。
これは遺作となった最終作。(70'sに入って2本しか撮っていない〜TVが主舞台となっているが)
起用された俳優(他には、カレン・ブラック、ウイリアム・ディヴェイン、エド・ローター)も従来のヒッチコック映画の登場人物ではなく、ある意味自由奔放な、ニューシネマ以降の、70's型俳優で、この辺も時代に迎合しようとしてもがいた感じが伺える。
インチキ霊媒カップルと誘拐犯のカップルの話が、どう絡むかがすべて。「汚名」あたりでも出て来た細工された車のシーンは、アクション映画全盛の70'sにはいかにも貧弱だし、悪役エド・ローターの最期もあっけない。脚本は、アーネスト・リーマン
「○○のXX」(○○は人名)が付く邦題はダメ作品という法則通り、なんともさびしげな出来になってしまった。

Family Plot、Universal、2h00、■■