男の出発('72)

Culpepper Cattle Company [VHS] [Import]
監督:ディック・リチャーズ
主演:ゲイリー・グライムズ、ビリー・グリーン・ブッシュ

出発とかいて「たびだち」と読ませる。ニューシネマ以後に作られた西部劇は、アクション面よりもドラマ面に比重がある事が多い。カウボーイにあこがれる少年が、大人の集団に入り、現実の厳しさを知り成長してゆく話は、西部劇には良くある題材だが、従来のものと違うのは、仲間は簡単に殺され、少年は、銃を捨て家へ帰る事を暗示させる。それでもあまり暗さを感じさせないのだが。
この映画の大きな魅力は、グライムズ(「おもいでの夏」のハーミー)ではなく、脇役陣にある。「ニュー・シネマ以降の脇役映画の原点」と称したのは、川本三郎(「脇役グラフィティ」(ブロンズ社)だったが、例によって列記する。
ビリー・”グリーン”・ブッシュのような人が、2番目に名前が出てくるのがうれしい。「ファイヴ・イージー・ピーシズ」や「グライド・イン・ブルー」が有名。 寡黙なナイフ投げの名手、ルーク・アスキューといえば、ペキンパー作品でもおなじみ。 ボー・ホプキンスは、「アメリカン・グラフィティ」のファラオ団長。この人もペキンパー一家。 「サンダーボルト」でもいい味出してたジェフリー・ルイスは、最近ではジュリエット・ルイスの父として知られる。
ウェイン・サザーリンは、出演作品こそ少ないが、ここでも強烈な個性を見せる。とにかく汚い(見かけが)。 マット・クラークといえば、気弱な役が、多いけどここではそうでもない。
レイモンド・ギャスは、コック役で、痰をピッととばす(西部劇にはこういう痰を飛ばす役の人が結構多い)。
他にはロイヤル・ダーノ(牛泥棒)、アンソニー・ジェイムズ(牧師)、チャーリー・マーティン・スミスら。音楽は、ジェリー・ゴールドスミスとトム・スコット。

The Culpepper Cattle Company、20th Century Fox、1h32、■■■