■■■ステップフォード・ワイフ('75英)

ステップフォード・ワイフ [DVD]
監督:ブライアン・フォーブス
主演:キャサリン・ロスピーター・マスターソン、ポーラ・プレンティス
そもそもニコール・キッドマン主演でリメイク(未見)されるまで、オリジナルである本作の存在すら知らなかったのは不覚。中日新聞に連載された小林信彦のコラム(現在は「映画が目にしみる」(文藝春秋)としてまとめられている)でこの映画の事を知った時はフーンだったけど、ようやく見る事が出来た。リメイクとは結末も違うというが、まず原作が「ローズマリーの赤ちゃん」で知られるアイラ・レヴィンで脚本がウィリアム・ゴールドマンであること(ただ結末をフォーブスが書き直してトラブルになった)、監督のフォーブスがイギリス人であることに注目。スリラーなのでネタ割れしない程度に書くけど、アメリカ人(男性の)イメージする女性像やアンチ・フェミニスト運動を皮肉った視点は、同国人監督では出せなかったかもしれない。ネットで探しても結末に触れてないことが多いが、ヒントはジャック・フィニイの「盗まれた街」(ボディー・スナッチャー)風ということ。冒頭で裸のマネキン持った男が、後半二重の意味を持ってくる。キャサリン・ロスの貧乳(ノーブラ)も伏線か?のっぽのプレンティス、ナネット・ニューマン(フォーブス夫人)、ティナ・ルイーズら他ではなかなか見れない女優満載。アメリカでは大コケしたことがカルト・ムーヴィー化し、そのおかげで今でも印税が入る、とは特典映像*1でのフォーブスの意見。子役時代のメアリー・スチュワート・マスターソンも父娘共演している。強烈なのは黒い瞳(未完成)で巨乳のキャサリン・もどきだろう。面白いけどスローすぎるし長い。あと20分切ればよかった。劇場未公開。

Stepford Wives、1h55


*1:現在のキャサリン・ロスも登場、皺だらけだけど美しい。「卒業」「明日に向かって撃て」である世代にとっては、清楚なイメージのアイコンなんだろうけど、この人もこの後作品に恵まれなかった。というかただ美人なだけでは70'sはきびしかったのだ。ジャクリーン・ビセットが失速していったように