■■ローズマリーの赤ちゃん('68米)

ローズマリーの赤ちゃん [DVD]

ローズマリーの赤ちゃん [DVD]

監督:ロマン・ポランスキー
主演:ミア・ファロー、ジョン・カサヴェティス、ルース・ゴードン
現代のN・Y・(アパートのセットはヒッチコックの「裏窓」みたい)に根付く悪魔崇拝の話で、イメージ先行ながら、結構怖い。気が付いたら外堀埋められてたというか、親切な隣人には気をつけろというか。少なくとも妊婦向きの話ではない。
隣の夫婦が悪魔崇拝者で、夫の方は、戦前から有名な人物だったという事が示唆される(示唆した人物は呪殺される)部分がサスペンスフル。ちゃんと通法に基づいた呪殺を行うくだり、その正統派ぶりが、うれしくなる。昨今の小手先のテクニックで脅かそうとしてるホラーとはもう、こころざしからして違うのだ。
ミア・ファロー*1(当時は30歳離れたフランク・シナトラ夫人)は最初の方はいい感じなのに、途中から髪を短くして変な感じになった(^^) 彼女が夢で見る受胎のシーンは、結構サイケデリックでありながら、正統的(過去の悪魔ものを踏まえた上での記述)。ローマ法王の訪米を絡めた展開がリアリティを増している。

ラストで悪魔の赤ちゃんが生まれた事が語られ、その姿は映らない(一部光った眼がオーヴァーラップ)。拒絶を続ける、ファローの目が次第に母親の目になってくるラストが、うまい。
原作は「ブラジルから来た少年」のアイラ・レヴィンの同名作(ハヤカワ文庫NV)で、後年「ローズマリーの息子」と言うのも出している。
他にはモーリス・エヴァンス、イライシャ・クック・Jr(アカデミー助演女優賞受賞)ら。電話の声は、トニー・カーティスらしい。製作はキワモノで知られる、ウィリアム・キャッスル
Rosemary's Baby、Paramount、2h16

*1:オーメンのリメイク版では悪魔の家政婦(オリジナル版ではビリー・ホワイトロウが演じた)に