■■□俺たちに明日はない('67米)

俺たちに明日はない [DVD]

俺たちに明日はない [DVD]

監督:アーサー・ペン
主演:ウォーレン・ベィーティーフェイ・ダナウェイジーン・ハックマン

まずはニューシネマの生みの親とも言えるこれから。
ディヴィッド・ニューマンとロバート・ベントンの2人の若き脚本家が、当初フランソワ・トリュフォーに企画を持ち込む(その後この話はゴダールのところへゆく)ものの、英語力の問題でキャンセルされたという経緯があるこの映画には、それまでの倫理観や公式主義をうちやぶるような新しさがある。タイム誌がこの映画を評した「ニューシネマ」なる言葉は、その後の(少なくとも2、3年の)新しい感覚を持った一連の映画をあらわすのに格好のものとなった。 
30年代の大不況時代に実在したボニーとクライドのギャング団をモチーフにした、アンチ・ヒーローの暗黒映画で、ピカレスク・ロマンながら、悲劇的な結末に終わるという展開はドラマティック。ハックマンの妻役だったエステル・パーソンズ(ヒステリックにわめくばかりの役柄は「レーチェル・レーチェル」でも遺憾なく発揮される)は、アカデミー助演女優賞を受賞。ビーティーは製作も兼ねる。クライド役は、当初ナタリー・ウッドが予定されたがウッドはこれを断り、後になってかなり悔やんだという。他にはマイケル・J・ポラード、ジーン・ワイルダー(これがデビュー)、ダブ・テイラーら。
Bonnie & Clyde、Warner Brothers、1h51