■■■兄貴の恋人('68日本)


監督:森谷司郎
主演:加山雄三、内藤洋子、酒井和歌子中山麻里
若大将シリーズ以外の加山雄三作品では一番の出来ではないでしょうか?
森谷監督、井出俊郎脚本という東宝青春映画の黄金コンビが、売り出し中の内藤洋子、酒井和歌子と加山を組み合わせたもの。なんといっても東宝青春スターのエース二人の起用が豪華。元祖清純派の酒井は夏木陽介主演の「飛び出せ青春」の女子学生役で注目された人ですが、元々子役出身で「陽の内藤、陰の酒井」と言われたほど、翳りを持った役柄が多かったようです。ここでもヤクザの兄を持ち決して裕福でない家の出身。勤め先の銀座と対照的に描かれる川崎のガラの悪さが印象的です。対するお嬢様女優の内藤(一つしかちがわないとは知らなかった)は、ブラコン気味の妹役で、大きな瞳が印象的。デビューは黒澤の「赤ひげ」です。他にも「サインはV」直前の岡田可愛、これがデビューとなるハーフの中山麻里(後に三田村邦彦夫人)、白川由美(バーのママ役)、小林夕岐子、沢村貞子宮口精二ロミ山田ら。緑色した山手線が懐かしい。それにしてもワコちゃんがキュートです。未DVD化。