■■三大怪獣・地球最大の決戦('64日本)

三大怪獣 地球最大の決戦 [DVD]

三大怪獣 地球最大の決戦 [DVD]

監督:本多猪四郎
主演:夏木陽介、星由里子、若林映子、小泉博、ザ・ピーナッツ、平田明彦
GWに公開された「モスゴジ」のヒットを受け、年末公開に向け急遽製作されたシリーズ第5弾。突貫工事の割りに出来がいいのは、スタッフ、キャストを始め、邦画界がノッていたという時代背景もある。
自社怪獣のラドンモスラに続いて起用し、宇宙から来た三頭のキングギドラを登場させ、ノン・ゴジラの特撮映画が、ゴジラ・シリーズの世界観にあるという約束事を決定付けた作品。また地球の三大怪獣が協力して、宇宙怪獣をやっつけるという線の為、ゴジラの恐怖性がぐっと下がった。セルジナ公国の王女とボディガードの刑事という図式は、まんま「ローマの休日」だが、そういったドラマ面での充実振りが、作品の価値を高めている(冒頭の飛行機爆破前に金星人のテレパシーで王女が九死に一生を得るというくだりは、平井和正の「幻魔大戦」にも引用された)。他には志村喬、伊藤久哉(殺し屋のボス、岩を抱えて落ちてゆくシーンはあまりにも有名(^^))、沢村いき雄、大村千吉(帽子拾い屋)*1
中村豊佐原健二、田島義文、天宮英世ら東宝傍役陣の充実振りもなかなかだ。
若林映子のこと
わかばやしあきこ、と読む。60'sの東宝映画で活躍した女優。そのエキゾティックな風貌(今で言うアジアン・ビューティー)から浜美枝と共にボンドガールに起用され、日本ロケの「007は二度死ぬ」に出演した。三橋達也主演のスパイアクション「国際秘密警察 鍵の鍵」をウディ・アレンが吹き替え、編集した珍品・怪作「What's Up Tiger Lily」(音楽はラヴィン・スプーンフル)はまだ未見だが、ここでも若林は出演している。元々作品数がそれほど多くなかった事と早くに引退した事で、知る人ぞ知る感じになってるのは残念だけど、60'sの東宝映画を代表する女優。DVD化が遅れているが、成瀬巳喜男監督のサスペンス「女の中にいる他人」にも出演。これは端役だが妖艶な感じがよく出ている。あと「ウルトラQ」のタランチュラが出てくる「クモ男爵」の巻か。

http://fab4.at.webry.info/200511/article_2.html