■■ウエスト・ワールド('73米)

ウエストワールド [DVD]

ウエストワールド [DVD]

監督:マイケル・クライトン
主演:リチャード・ベンジャミン、ジェームズ・ブローリン
SF作家(「ジュラシック・パーク」が一番有名か)クライトンは、脚本家としても知られてるが、TVで2本演出を担当した後、本作で劇場用映画の監督としてデビュー。ここでは、原作、脚本もこなす。精巧なロボットを使って、ヴァーチャルリアリティを体験させる、未来のアミューズメント・リゾートを舞台に、西部世界のロボットが反乱を起こす話。その理由は明らかにされず、ひ弱な現代人が、ガンマン・ロボット(ユル・ブリンナー好演)に追い回される話。よく考えれば、ジュラシック・パークの原点ともいえる話だ。
今の感覚では、ブリンナーのガンマン・ロボットは少し古いかな?とも思うけど、30年前は、かなり斬新だったはず。テクニック的な事を超越したおもしろさがあるのは、やはり脚本のうまさか。
前半は見事な西部劇のパロディとなっていて、おきまりの酒場でのけんかも、スローモーションで(ペキンパー風)撮られている。それにしても娼館で、ロボットはどんなサービスをしてくれたんだろう?有名な俳優はこの3人くらいで、あとは経費を削減。低予算ながら、十分楽しめる。続編「未来世界」(監督:リチャード・T・ヘフロン)は、ピーター・フォンダが出てる事でわかるようなB級映画クライトンはタッチしていない。
スキンヘッドの俳優、ブリンナーは、ロシア出身の俳優で、元々はミュージカル畑の人。「王様と私」でのシャム王で知られるが、スペクタクル史劇なども多い。「荒野の七人」と並んで本作は、アクション部門での代表作だろう。スキンヘッドという事で、個人的によく間違うのは、テリー・サヴァラス。この人は、TVシリーズの「刑事コジャック」や「戦略大作戦」なんかで知られる、アメリカ人。またドナルド・プレゼンスという人もいて、この人は、ナチの高官など戦争映画が多い。007の悪の組織、スペクターのボス、ブロフェルドを、サヴァラス、プレゼンスが演じている。