■■軍曹('68米)

監督:ジョン・フリン
出演:ロッド・スタイガー、ジョン・フィリップ・ロウ、ルドミラ・ミカエル
ロバート・ワイズ(製作を担当)の助監督出身のフリンの第1回監督作品。軍隊におけるホモセクシャル問題を取り上げた異色作で、タブー視された問題を扱えたのはプロダクション・コードの緩和によるものも大きいでしょう。設定は第2次大戦後の仏駐屯地で、冒頭に仏戦線のワン・シーンが挿入されこれがラストの自殺とからみ効果をあげています。クラブのシーンでメンフィス・スリムも登場。
gooより

ベテラン曹長アルバート・カラン(ロッド・スタイガー)が、フランス駐留のアメリカ陸軍中隊に赴任して驚いたのは、その軍律の乱れだった。勲章十字章が何より自慢なカランは、苦りきった。が、そんな中で、スワンソン1等兵(ジョン・ロー)だけは、彼に清新な印象を与えた。カランはスワンソンに中隊事務室付きになるよう勧め、スワンソンも迷いながらこれを承諾した。スワンソンにはソランジュ(リュドミラ・ミカエル)という恋人がいたが、事務室付きになってからの彼は、カランの都合で、ソランジュとの約束を破らねばならぬこともたびたびだった。そのため、スワンソンとソランジュの仲は決裂した。こんなことから、カランとスワンソンは、一緒に過ごす時間が多くなり、親密さを増した。カランは、スワンソンを独占した喜びで一杯だった。カランは、何度もスワンソンに「部下としても、友としても君を大切に思っている」というのだった。一方、ソランジュは、スワンソンと会えぬ日々に耐えきれず、ついに兵営にまでやって来てしまった。再会に狂喜する2人。この場を偶然みたカランは逆上し2人を口汚くののしった。この時から、カランとスワンソンの間は気まずくなった。再び孤独になったカラン。カランはその寂しさを紛らすために、酒に溺れていった。勤務中にまで酒を飲むようになったカランに、中隊長(フランク・ラティモァ)は、免官を言い渡した。その翌日、銃器庫からライフルを持ち出したカランは、朝もやの森で寂しい一生を閉じた。