ふたりのベロニカ('91仏,ポーランド)

監督:イシシュトフ・キェシロフスキ
出演:イレーネ・ジャコブ、フィリップ・ヴォルテース
トリコロールの三人娘の一作品。ジャコブは「赤」の人だけど「青」のイメージあるのはなぜ?瓶を持った腰の曲がった老婆も登場。オペラ風の音楽も格調高いけどそれほど芸術性は高くない(つまりわかりやすい)。本のしおりの紐、葉巻の空き箱、カセット・テープのくだりは上質なミステリ風。鏡を反射させる子供も面白い。

同年同日に生まれた二人のベロニカという名の女性の幻想的なラブ・ストーリーポーランドとフランスで、お互いに名前・顔・音楽の才能までもが同じベロニカという女性がいた。ある日ポーランドのベロニカが舞台の上で倒れ死んでしまう。一方、フランスのベロニカは情熱的な恋人と出会い、やがて偶然からもう一人のベロニカの存在に気付く。彼女はポーランドへ旅立つが……。舞台上で息絶えたシーンでの曲がフランスのベロニカが恋人と出会うシーンでも使われたりと、音楽が映画を効果的に引っ張っている。ベロニカを透明感あふれる二役で演じたイレーヌ・ジャコブは、この映画でカンヌの主演女優賞を受賞した。