ブラック・サンデー('77)

監督:ジョン・フランケンハイマー
主演:ロバート・ショウマルト・ケラーブルース・ダーン

72年のミュンヘン・オリンピックの際テロを起こした組織「黒い九月」がスーパー・ボウル会場を襲撃すると言うサスペンスだが、実在の組織の名称をそのまま使った為(原作は後に「羊たちの沈黙」などレクターもので更に有名となるトーマス・ハリス)、日本劇場公開時に脅迫状が届き、公開延期から中止に追い込まれた問題作。冒頭のイスラエルの襲撃シーンから一転して、マルト・ケラーが看護婦に扮して、ロバート・ショーへ復讐を企てるシーンがまずすごい。普通これは後半にありがちなシーンなのだけど、この時点で前半1/3を過ぎたくらい。ヴェトナム帰りでアメリカ政府と社会に恨みを持つブルース・ダーンが爆弾の性能を確認する為の試し撃ちのシーンも印象的。爆破のシーンなどいささか古くなってはいるが、問題なし。
同じような作品にジンネマン監督の、ドゴール首相暗殺事件を描いた「ジャッカルの日」(原作はフレデリック・フォーサイス)があるが、総合では負けるものの、善戦。
「映画をめぐる冒険」で村上春樹が「(爆弾を密輸する)日本人の船長が嵐山光三郎に似ている」と書いているが、今回見直して納得。
Black Sunday、Paramount、2h23、■■■