激突!('72)

激突! スペシャル・エディション [DVD]
監督:スティーヴン・スピルバーグ
主演:デニス・ウィーヴァー、ジャクリーン・スコット

元々はTVMとして作られながら、第1回アボリアッツ・ファンタスティック映画祭*1でグランプリを獲得したこともあって、日本やヨーロッパでは劇場公開された、スピルバーグの監督デビュー作。追い越しをしたばかりに執拗な嫌がらせをする巨大なタンクローリーに追われることになった主人公の心理面もうまく描かれている、よく言われるようにタンクローリーの運転手の姿が見えないあたりも怖い。ただ今の視点では、主人公が追い越しを仮にしなくても、タンクローリーは、何かを仕掛けてきたような気もする。そんな考えはもちろん当時はなかったろうし、それは世の中が殺伐としていることと、僕の考え方が「大人」になったからだろう。
原作は、リチャード・マシスンで、「オメガマン」「ヘルハウス」「ある日どこかで」が映画化された「幻想と怪奇」系作家(ホラー・ファンタシー系と書くと昨今は誤解される)で短編の名手。昔は、マシスン、チャールズ・ボーモント、ロバート・ブロック、レイ・ブラッドベリなんかを(クラシック・ホラーに対しての)モダン・ホラーと呼んだけど、スティーヴン・キング以降は全く変わってしまった。原題は「決闘」の意味。
Duel、Universal、1h30、■■■

*1:このスイスのマイナーな映画祭は「スピルバーグを発掘したことで逆に有名になったという