組織('73)

監督:ジョン・フリン
主演:ロバート・デュヴァルジョー・ドン・ベイカー、カレン・ブラック

ドナルド・ウエストレイクが、リチャード・スターク名義で書いた、「悪党パーカー」シリーズは、過去に「ポイントブランク」(ジョン・ブーアマン監督)という傑作ハードボイルドを生んだが、これはそのシリーズ3作目「犯罪組織」が原作。
今ではすっかり失われた、70'sのハードボイルド・アクションの快作だ。よく言われることだが、70'sのアクション映画は、初めにドラマありきで、火薬の量を競ったり、テクニカルな効果に
頼りすぎた、最近のアクション映画が、失ってしまった、語り口のうまさ(それはそのまま脚本の面白さにつながるんだけど)がここにある。

ウイチタで襲った銀行が組織のものだった事から、報復に兄を殺され、自分も命を狙われた、ムショ帰りの男が仲間をさそい、組織に一泡吹かせる話、要約すればこれで済むが、それまで静かなイメージが強かった、デュヴァルが、エネルギッシュに動きまわる。もっとも組織側(ボスはロバート・ライアン)も穴だらけの警備なんだけど。
イージー・ライダー」「ファイヴ・イージー・ピーシズ」とニューシネマには欠かせなかった、カレン・ブラックは決して美人とはいえないが、印象強い。
女優陣では、ライアンの年の離れた妻を演じた、ジョアンナ・キャシディ、もともとフォックスのグラマー女優ながら、熟女となってからは、悪女を演じることが多い、シェリー・ノース
(その姉御的貫禄は、「突破口」「ブレイクアウト」などで堪能できる。黒のタートルネック
突き出た胸が魅力的なダーティーなグラマーだ)。また脇役も充実で、ティモシー・ケアリー(「現金に体を張れ」のスナイパー)、リチャード・ジェッケル、ビル・マッキニーら。
イカーとデュヴァルの友情の物語は、70'sのアメリカ映画が、好んで取り上げてきた題材でもある。意表をつくラストは、ハッピーエンドで思わずうれしくなる。

The Outfit、MGM、